「今日は寺垣武先生という先生の開発した、波動スピーカーを見学しに行ってきました。波動(物質波)と聞くと、なんだかうさんくさそうですが、もともと物理化学者の寺垣先生のお話は極めて理論的で、わかりやすかったです。この方は5億円かけて正確にレコード盤の音を再現するレコードプレーヤーを開発し、そしてその音を忠実に再現するスピーカーを開発したのです。気になる人は「寺垣スピーカー」でぐぐってみてください。
そして各自が持ち寄ったCDをかけて視聴。
僕は自分がレコーディングに参加したのと、「カルミナブラーナ」と、著名ギタリストのを何枚か持っていきました。
ぶったまげました。音量を上げても、音圧を感じない。物質の質感がそのまま伝わってくる。
スピーカーの表でも裏でもほとんど同じ音。録った部屋がどれくらいの大きさだとか、バチで叩く音、弦がしなる音、全て丸裸で聞こえてきます。これは大げさじゃないです。
それから5時間ぐらいにわたって、色々なCDとレコードを片っ端から聴いていきました。 CDはレコードに比べてレンジが狭い。何か荒くて詰まった音がする。
70年代のレコーディングは音抜けがめちゃめちゃ良い。80年代のデジタルリバーブ感ばりばりのは薄っぺらでした。マイケルジャクソンは音が良くて、迫力のギターサウンドを期待してヴァンヘイレンの1984を聴いたら、ペラッペラでした。あと、ディープフォレストもレンジが狭くてがっかり。デジタルものは基本的にレンジが狭くて残念な感じ。
イエペスの演奏は音の立ち上がりが鋭くて、硬いが太い。日本人の演奏は概して優しいんだけど、内にこもっている感じ。びっくりしたのが、パコデルシアとアルディメオラの演奏。
二人とも当然すごいと知っていたけどけど、ここまでとは思わなかった。地中海の舞踏を聞いたんだけど、家でも良く聴くCDなんだけど、早弾きのひとつぶひとつぶに、音魂がのっかってる。
カルミナブラーナは、CDとレコードを聞き比べたんだけど、断然レコードがすごくて、ティンパニの皮がうねるのまでが感じられる。
ビブラフォーンなんかも叩いた瞬間の倍音のはじけ方が強烈に響いてきた。
こう聴くと、CDというのは実は未完成のものなんじゃないか、とさえ思えてきます。
そして、このスピーカーで聞くと、演奏が丸裸にされる。
魂のこもってない音は伝わってこないのです。
これは、気を抜いた演奏は出来ないな、波動を伝えるような演奏をしなきゃな、と心に決めた次第でございます。」
(2009年2月11日 大野元毅氏のブログより)